ビビンバはコルドンバンと記録されているが、朝鮮初期の世祖(1455~68 在位)の時代の人物に係わる記録からコルドンバン(骨董飯)という表現が確認されており、その存在が早くから確認されている。ビビンバがハングルで言及されている文献は1800年代末の是議全書で、この文献にはビビンバが부빔밥(ブビムバブ)、골동반(コルドンバン)と記録されている。コルドンバンのコルは交ぜるコル、ドンは保存するという意味の漢字で、コルドン(骨董)とは色々なものを一緒に交ぜることを言う。それで骨董飯とは、すでに炊いておいたご飯に色々なおかずを交ぜて混ぜるということを意味する。
農繁期料理説
農繁期には一日に何度も食事をするが、その度ごとに多くのおかずを準備することが困難で、またたくさんの器を持って行くことも難しかったので、器一つに色々なおかずを混ぜて食べるようになったことから由来したという説
[チェ・スンボムの乱録記]には、このような農繁期の全州ビビンバの由来がよく描写されている。
「山と野と海がすべて揃っている全羅道の食べ物は、三ヶ所からとれるものを集めたもので作られるのは当然のことだ。農繁期に農家の奥さんは畑にご飯を頭にのせて運ぶ時、家中のかごを全部集めておかずの入ったお皿を運ぼうとしても、それをどうして運ぶことができようか。そこで思いついたのが、大きな器にご飯を盛って、おかずをその上に色々と盛り、コチュジャンを一皿、匙を揃えて行くなら、あぜ道でも簡単に歩いて行くことができ、田畑の上、空の下の野外食卓が広がったものがビビンバだとしたら、メニューの合理化だとしてこれを賞賛するものだ。」
まさに全州ビビンバは、農耕文化にその由来をあげることができる理由だ。